イレカワリ
「そ……んな……」


突然世界が歪んで見えた。


あの日あたしと歩は石段から落ちた。


それが原因であたしと歩の心が入れ替わってしまったのだ。


そうなんだと、ずっと、思い込んでいた。


「嘘でしょう?」


自分の声がひどく震えている。


信じられなくて、それなら今まで一緒に悩んできたのはなんだったのかと、絶望が支配する。


「嘘じゃない。本当の事だ」


純はため息交じりにそう言った。


「で、話は戻るけど……お前中身はマホなんだよな?」


「う、うん」


あたしは頷いた。


「まずいぞ」


純はそう言い、突然立ち上がった。


「え、なに?」


「すぐに歩を探しに行こう」


「え?」


混乱するあたしの手を握りしめて、純はファミレスを出たのだった。
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