イレカワリ
制服姿
わけがわからないまま純について行くと、そこにはあたしの家があった。


紛れもなく、木津マホの家だ。


「どうしてあたしの家を知っているの?」


前を歩く純にそう聞くと、純はギクッとしたように肩を震わせ、そして顔を真っ赤に染めた。


「それは……なんどか来たことがあったから……」


モゴモゴと言いにくそうにそう言う純に、あたしは首を傾げる。


あたしは純を家に呼んだことは一度もない。


「い、今そんなことはどうでもいいだろ」


純は気を取り直すようにそう言い、また歩き出した。


大股に歩いていると玄関のドアが開いて歩が出て来た。


その姿にあたしと純は驚いて立ち止まってしまった。


今日は休みだというのに歩は制服を着ていたのだ。


しかもそれは修立高校の制服ではなく、1番人気が高い女子高校の制服だったのだ。


「なんであんなの持ってるの……?」


あたしはもちろん、他校の制服なんて持っていなかった。


歩が勝手に買ってきたのだろう。


家を出た歩は真っ直ぐ道路を横切り、そして歩き始めた。


あたしと純は気が付かれないように歩の後を追いかける。


家から少し離れた場所に黒い普通車が停まっているのが見えた。


歩は迷う事なくその車に近づいていく。


「あの車を知ってる?」


純にそう聞かれて、あたしは左右に首を振った。
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