イレカワリ
でも、歩が純に渡していたのは多額の金ではなかった。


たった数万円だ。


バイトをすればすぐ手に入るような金額。


それなのに、歩は人の体を使って金を稼ぐと言う行為を繰り返ししている。


純に渡すお金のためだけじゃなく、自分の娯楽のためだということはすでにわかっていた。


「それより今は歩を止めることだよ」


あたしは目の前の車がホテルに入って行く様子を見てそう言ったのだった。
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