イレカワリ
☆☆☆

気が付けば、俺はベッドに横になっていた。


目を細めて周囲を見回してみると、マホと俺が手を繋いでホテルから出て行く所だった。


俺は必死で声をあげた。


マホ!


そいつは俺じゃない!


歩だ!!


いや……そいつは海だ!!


マホ、行くな……!!


必死で声を出しても言葉にはならなかった。


ホテルを出る瞬間、俺が振り返りそしてにやりと笑ったのが見えた。


「う……み……」


俺の右手からは大量に血が流れているが、布団をかぶされて隠されている。


あぁ……歩。


歩もこうやって殺されたんだよな。
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