イレカワリ
家の中
あたしは歩を自分の家に案内してから、歩の家へと向かった。
歩の家は石段から更に上へと上がった場所で、丘のてっぺんに位置していた。
丘の上の小さな可愛い家は一体誰が暮らしているのだろうと思っていたけれど、案外身近にその人物がいたわけだ。
あたしはワクワクしながら玄関のドアを開けた。
ずっと憧れていたこの家に入る事ができるなんて、思ってもいなかった。
「ただいま」
そう声をかけて玄関へ入ると、すぐに年配の女性が出て来た。
歩のお母さんみたいだ。
小柄で華奢なその人はひどく心配そうな顔をしている。
「歩、今日は大丈夫だったの!?」
「あ、あぁ。大丈夫だよ」
あたしはぎこちない演技をしながらほほ笑んだ。
「石段から落ちたって聞いて、お母さん心臓が止まるかと思ったのよ」
歩のお母さんはそう言い、白いエプロンの裾をギュッと握りしめた。
「心配かけてごめん。でも、この通り元気だから」
あたしは力こぶを作って見せた。
ようやく、お母さんが笑顔になる。
「そう。それなら安心したわ。今日はもうゆっくり休みなさい。夕飯ができたら呼んであげるから」
「ありがとう」
あたしはそう言い、玄関横の階段を上ったのだった。
歩の家は石段から更に上へと上がった場所で、丘のてっぺんに位置していた。
丘の上の小さな可愛い家は一体誰が暮らしているのだろうと思っていたけれど、案外身近にその人物がいたわけだ。
あたしはワクワクしながら玄関のドアを開けた。
ずっと憧れていたこの家に入る事ができるなんて、思ってもいなかった。
「ただいま」
そう声をかけて玄関へ入ると、すぐに年配の女性が出て来た。
歩のお母さんみたいだ。
小柄で華奢なその人はひどく心配そうな顔をしている。
「歩、今日は大丈夫だったの!?」
「あ、あぁ。大丈夫だよ」
あたしはぎこちない演技をしながらほほ笑んだ。
「石段から落ちたって聞いて、お母さん心臓が止まるかと思ったのよ」
歩のお母さんはそう言い、白いエプロンの裾をギュッと握りしめた。
「心配かけてごめん。でも、この通り元気だから」
あたしは力こぶを作って見せた。
ようやく、お母さんが笑顔になる。
「そう。それなら安心したわ。今日はもうゆっくり休みなさい。夕飯ができたら呼んであげるから」
「ありがとう」
あたしはそう言い、玄関横の階段を上ったのだった。