イレカワリ
見えるもの
女子でいるときと男子でいる時で、こんなにも世界が変わるのだとあたしは感心してしまった。
高瀬のこともそうだけれど、女子生徒たちにきゃぁきゃぁ言いながら追い掛け回された時に特にそう感じた。
それは純と2人で昼ご飯を食べに食堂へ向かった時のことだった。
あたしは当たり前のように食券を買い、カレーを食べていただけなのに、近くにいた女子生徒たちが騒ぎ始めたのだ。
あたしの口もとについたカレーを純がぬぐうと「キャー!」
純のラーメンをひと口もらうと「キャー!」
いちいち黄色い悲鳴が聞こえてきて、頭が痛くなりそうだった。
歩ってこんなに人気があったんだ。
そう思い、愕然とする。
「ほんと、毎日懲りないなぁ」
食堂を出て純が呟く。
「え?」
「女子生徒たちだよ。よくあれだけ毎日きゃぁきゃぁ言えるよな」
呆れたようにそう言う純。
あたしは「そ、そうだな」と、頷いた。
人の騒がれるというのは疲れるものなのだと、あたしはこの時初めて知ったのだ。
高瀬のこともそうだけれど、女子生徒たちにきゃぁきゃぁ言いながら追い掛け回された時に特にそう感じた。
それは純と2人で昼ご飯を食べに食堂へ向かった時のことだった。
あたしは当たり前のように食券を買い、カレーを食べていただけなのに、近くにいた女子生徒たちが騒ぎ始めたのだ。
あたしの口もとについたカレーを純がぬぐうと「キャー!」
純のラーメンをひと口もらうと「キャー!」
いちいち黄色い悲鳴が聞こえてきて、頭が痛くなりそうだった。
歩ってこんなに人気があったんだ。
そう思い、愕然とする。
「ほんと、毎日懲りないなぁ」
食堂を出て純が呟く。
「え?」
「女子生徒たちだよ。よくあれだけ毎日きゃぁきゃぁ言えるよな」
呆れたようにそう言う純。
あたしは「そ、そうだな」と、頷いた。
人の騒がれるというのは疲れるものなのだと、あたしはこの時初めて知ったのだ。