イレカワリ
リナはクラスで一番のギャルで、ピアスの穴を5つも開けている。


髪の毛は金髪に近いほど染めていて、クルクルにまかれていた。


メークも濃くて、あたしは近寄りがたい存在だったのだ。


そんなリナから馴れ馴れしく話かけられたため、まともに見返す事もできなかった。


「歩君、なんだか照れてる?」


リナが小首を傾げてそう聞いてくる。


あからさまなぶりっ子だ。


すると周囲にいたリナの友人たちが「歩君がリナの可愛さに照れてるぅ!」と、はやし立てて来た。


「そ、そんなんじゃない」


あたしは慌ててそう言うと、自分の席に大股に歩いて行った。


不覚にも、顔は燃えるように熱い。


これじゃぁリナの思惑通り、照れていると言う事になってしまう。


そんなあたしを見て、リナたちはきゃぁきゃぁ騒いでいる。


だけど、あたしは知っていた。


リナが好きなのは歩ではなく、純の方だ。


こうして歩に声をかけるのは純と仲良くなりたいから。


歩はキープ扱い同然なのだ。
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