イレカワリ
すると歩はベッドから上半身を起こした。
同時にあたしに手を伸ばして体を引き寄せる。
近い距離に思わずドキドキしてしまう。
「キス……するんだ」
歩があたしの耳元でささやいた。
その瞬間、心臓がドクンッと大きく跳ねる。
あたしだってキスの経験くらいある。
だけど、こんな状況で、しかも心が入れ替わってしまった状態で言われるなんて思ってもいなかった。
「もし、マホが嫌じゃなければ、試してみない?」
歩が言う。
漫画の内容なんてちっともあてにならない。
こんな非現実的なことが、キスで治るとは到底考えられなかった。
だけど……「いいよ」あたしは囁くようにそう返事をして、目を閉じていた。
歩の体温がグッと近づく。
自分にキスをされるなんて生まれて初めての経験で、なんだか妙な気分だ。
だけど、唇のフワリと触れたその感触はどこか懐かしく、家庭の香りに涙が出てきそうになってしまった。
たった1日家に帰ってないくらいでなくなんてみっともない。
歩の体が離れたすきにあたしは涙をぬぐった。
同時にあたしに手を伸ばして体を引き寄せる。
近い距離に思わずドキドキしてしまう。
「キス……するんだ」
歩があたしの耳元でささやいた。
その瞬間、心臓がドクンッと大きく跳ねる。
あたしだってキスの経験くらいある。
だけど、こんな状況で、しかも心が入れ替わってしまった状態で言われるなんて思ってもいなかった。
「もし、マホが嫌じゃなければ、試してみない?」
歩が言う。
漫画の内容なんてちっともあてにならない。
こんな非現実的なことが、キスで治るとは到底考えられなかった。
だけど……「いいよ」あたしは囁くようにそう返事をして、目を閉じていた。
歩の体温がグッと近づく。
自分にキスをされるなんて生まれて初めての経験で、なんだか妙な気分だ。
だけど、唇のフワリと触れたその感触はどこか懐かしく、家庭の香りに涙が出てきそうになってしまった。
たった1日家に帰ってないくらいでなくなんてみっともない。
歩の体が離れたすきにあたしは涙をぬぐった。