イレカワリ
どうにかお風呂を終わらせて出て来たあたしは、リビングで両親が会話している声に気が付いた。


何を話しているんだろう?


なんだかさっきまでとは声のトーンが違い、深刻そうな雰囲気がドアの外まで伝わって来る。


そっと耳をすませて聞いてみると「海は……」という単語が聞き取れた。


「海?」


あたしは首をかしげる。


もしかして夏休みに海に行く計画でもたてているのかもしれない。


歩に内緒でこっそりと。


そう思うと、途端に歩の両親が可愛らしく見えてきてあたしは1人ほほ笑んだのだった。
< 45 / 125 >

この作品をシェア

pagetop