イレカワリ
長いストレートの髪に、イチゴ柄のヘアピン。


そして白いブラウスに赤いネクタイ。


どこをそう見ても、それはあたし自分だったのだ。


ベッドの中の生徒はあたしと同様に混乱していて、マジマジとあたしを見ている。


「俺?」


そして、さっきあたしがやったのと同じように、あたしを指さしてそう言ったのだ。


そう言われた瞬間、あたしは弾かれたように鞄を開けた。


乱暴に中をあさり手鏡を取り出す。


そして自分の顔を確認すると……そこに写っていたのはクラスメートの庄司歩(ショウジ アユム)の姿だったのだ。


あたしは唖然として自分の顔を見つめる。


「ちょっと、俺にも見せて!」


歩はあたしの手から鏡を奪うと自分の姿を確認した。


そしてその姿があたしになっている事を見た瞬間に、青ざめた。


「なんだよ、これ……」


歩の声が震えている。


あたしも全く同じ気持ちだった。


なんなの、これ。
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