イレカワリ
墓参り
翌日。
あたしは重たい頭で目を覚ました。
海の事を考えていると自然と眠りが浅くなり、何度も目を覚ましてしまったのだ。
今のあたしは歩なんだから、少しでも何か思い出さないかと頑張ってみたのだけれど、それは無駄に終わった。
そもそもあたしの記憶はすべてあたしのものだけなんだから無理に決まっていたのだ。
そんな事も忘れてしまうくらい、あたしは歩と海の間に何があったのか気がかりだった。
「今日は天気が悪いな」
あたしは外へでて曇天を見上げてそう呟いた。
今にも汗が振り出しそうで、蒸し暑い。
「傘、忘れないようにね」
玄関を開けてお母さんがブルーの傘を差しだして来る。
あたしはそれを受け取り「振りそうだな」と、言った。
「そうねぇ。天気予報は晴れだったのにね」
お母さんは空を見上げて残念そうにつぶやいた。
今日は庭の花を植え替えるんだって言っていたっけ。
「じゃぁ、行ってきます」
あたしは残念そうな顔をしたままのお母さんにそう声をかけ、歩き出したのだった。
あたしは重たい頭で目を覚ました。
海の事を考えていると自然と眠りが浅くなり、何度も目を覚ましてしまったのだ。
今のあたしは歩なんだから、少しでも何か思い出さないかと頑張ってみたのだけれど、それは無駄に終わった。
そもそもあたしの記憶はすべてあたしのものだけなんだから無理に決まっていたのだ。
そんな事も忘れてしまうくらい、あたしは歩と海の間に何があったのか気がかりだった。
「今日は天気が悪いな」
あたしは外へでて曇天を見上げてそう呟いた。
今にも汗が振り出しそうで、蒸し暑い。
「傘、忘れないようにね」
玄関を開けてお母さんがブルーの傘を差しだして来る。
あたしはそれを受け取り「振りそうだな」と、言った。
「そうねぇ。天気予報は晴れだったのにね」
お母さんは空を見上げて残念そうにつぶやいた。
今日は庭の花を植え替えるんだって言っていたっけ。
「じゃぁ、行ってきます」
あたしは残念そうな顔をしたままのお母さんにそう声をかけ、歩き出したのだった。