イレカワリ
そう思うのに、あたしは茫然と立ち尽くし自分の部屋の窓を見ていた。


電気がつき2人のシルエットが重なり合う。


その瞬間、全身に寒気が走った。


歩は一体、何をしているの?


あたしの体を使って、何をしているの?


あたしは封筒に入れられていた万札を思い出していた。


歩はアルバイトをしていない。


あのお金は一体どこから……?


そう思った瞬間、歩の行動がすべて理解できた。


恐ろしいほどに点と点が繋がってしまった。


「あ……」


よろける足で一歩前へ踏み出した。


止めさせなきゃ。


そう思うのに、心臓ばかりが早く打って思うように前に進めない。


認めたくない。


歩はそんな事しない。


そんな気持ちが、現実から目をそむけさせようとしている。


「君、こんな時間になにをしてるんだ」


突然そう声をかけられて、あたしは小さく悲鳴を上げた。


見ると、そこには巡回中のお巡りさんの姿があった。
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