ずっと好きでいたい… 〜出会い〜 (1話)
がん その言葉で体中が動かなくなった。
いきもつまり、声が出ない。
やっとの思いででた言葉は…
『死ぬんですか?』
『余命1年です。』
1年…
あと、1年…
家族もいない。
友達もいない。
せめて、本当の家族に復讐したかった。
せめて仲のいい友達欲しかった。
せめて彼氏が…欲しかったなぁ…
その後、病室に戻った。
ベットのすみっこで体育座りをして、うずくまることしかできなかった。
『だいじょうぶ?』
『平気?』
御見舞に来た、家族の声が聞こえた。
私だって、私だって、本当なら、周りを囲んで、
『大丈夫』
って言ってもらえるはずだった。
どこかで憧れてた。
家族同士で手をつないで
歩く姿。
どこかで憧れてた。
家族が、肩車をして
キャッキャッって、笑う姿。
私も、したかった…されたかった。
大切な人と、すぐそばで…
ずっとすぐそばで…
いつまでもいつまでも…
もう、しんじゃいたい
そんな毎日がつずいた。

『ここ病室?』
『優雅様は、一番奥です』
『了解。』
私の隣に、新入りが来ました。
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