白い月
真琴が鞄を持ちかえる。
時計がずれ、醜い傷が少し覗く。

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自傷癖

真琴はいつからかは知らないが
ある時を境にその時から、今も
この瞬間も
死にたがっていた。

「宏哉?どうかしたのか?」
「ん?なんにも。たださ、空が綺麗だなって」
真琴は怪訝な表情をする。
あ、失敗した。
絶対『頭、大丈夫?』とか言われる。

「………頭、大丈夫?」
あたった。
……嬉しくないけど。
「へーき。急ごーぜ。このままじゃ遅刻する」
「僕は別にいいけど」
「だめだろ。フツーに」

相変わらずどこか無感動な声をした真琴を急がす。


とりあえず遅刻にならないためにも、急ぎ足で学校に向かった。
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