不器用な恋愛
第1章 聖党蘭学園
・最悪な出会い
*優雅side*
「お嬢様…朝です。」
………ん〜……
眠い……。
「今日は入学式なのではありませんか?
遅れられては困ります…」
誰が困るのよ―……
「とにかく、起きてください…
ほら…お庭に桜が咲いてますよ!」
………桜?
あたしの世話係りがそう言って窓を開けた。
桜……見たいかも…
ダルい体を起こして窓まで歩いた…
庭に沢山の桜が咲いて…
「綺麗………。」
すごく綺麗と感じた。
「ですよね?
じゃあ、準備ですよッ!!」
…………はぁ―…
あたしが四季の中で1番大嫌いな寒い冬は過ぎて…
次に嫌いな春が来た…。
だって春は………
“始まり”
だから…あたしは嫌い。
人に関わるのが嫌だから……
うるさいから……
それに……
今日からあたしの行く学校は…
どうせ…
みんなが華やかな日々を送ってきたんだ―……
あたしと違って―………