不器用な恋愛
「やっぱり、僕が1人で行くのは虚しいですし、どうでしょうか?冠善さん?」
「えッ……えぇ…峰城様がそうおっしゃるなら私はよろしいですわ。」
全然よろしい顔じゃないですけどね。
それより……
「あたしの意見は無視なの?」
「碧壱さんも冠善さんを知るための良い機会になると思いますよ?」
そのニコニコの作り笑顔もキモいし、敬語も似合わない。
「嫌なんで、1人で行って。」
「いいじゃないですか…」
「無理なんで。」
「予定なんてないわけだし、僕と行きましょう!」
「結構。」
あぁぁぁぁッッ!!!
うざったいなぁッッッ!!
「でも―…」
「でもじゃないんで。
本当に行かないから。」
だいたい男のくせに諦め悪すぎなんだよ!
「碧壱さん。
ちょっとよろしいかしら?」
はぁぁー………。
今度はなんですか……。