ありがとうを、どうしても。


「…!」


下に下げていた視線を、横井君に向けた時、たまたまだと思うけど、…。


思うけど!!


ふと交わった視線。


ーーードキッ…


心臓が激しくなる。


‘‘ありがとう’’って…。
‘‘ありがとう’’って言わなきゃ!!


そう思うけど、両足と唇が少し震えていて、思うように動かない。


あーー、もう。

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