ありがとうを、どうしても。


そうこうしている間に、横井君は机の上に荷物を置きっぱなしにし、どこかへ去って行った。


「ね、ねえ、愛」


「へ?」


ぼーっとしていた時、突然夏実の声が聞こえ、反射的に声が出た。


「辛かった、よね?ごめんね、その、えっと。」


「いいよ、大丈夫。私も、ちゃんと言えなくてごめんね。」


横井君がいなくなったあと、私たちはのうして和解しあった。

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