ありがとうを、どうしても。


「わ、わたしは…」


「なに?」


無駄に近い横井君との距離。


それにドキドキして、
思うように声が出ない。


だけど、伝えたい。


この想いを…。


「ありがとう、今日は助けてくれて。」


「え?あぁ、おう。気にすんな」


そう言って、わたしの頭をワシャワシャと撫でる横井君。


「んで、どこ?」


「そういうところだよ。」


「…は?」


「優しくて、かっこよくて。なにより、そうやって、わたしを笑顔にしてくれるところ。わたしね、横井君がそばにいてくれるだけで、とても嬉しくて。隣の席になれた時、泣きそうなほど嬉しかったんだ。」


ホロホロと、
こぼれ出す自分の本音。


< 17 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop