ありがとうを、どうしても。


「よおし、撮れたわよ〜!はい、じゃあ次は咲子だけとるわね!さっき撮ったのは、今年の年賀状に使って、と…」


そうお母さんは、叫ぶと私は静かにお姉ちゃんの隣から退いた。


「愛、ごめんね?さっきは、付き合ってくれてありがとね?」


そう言って、気を使ったような笑みを浮かべるお姉ちゃん。


「ううん、大丈夫」


お姉ちゃんは、
決して意地悪なわけじゃない。


とても優しい。


だからこそ、痛むのだ。


この胸が。


お姉ちゃんには、
絶対に勝てないと。


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