ありがとうを、どうしても。


「あーいっ!おはよ!」


「夏実、おはよう」


翌日。


私は、いつものように、高校に通った。


「ねえ、そういえば!愛のお姉さん、難関大学受かったんだってね!」


「え?」


「有名になってるよ!あんたのお姉さんのこと!」


うそ、そんなに知れ渡ってるの?


私たち身内だけだと思ってたのに。


…あぁ、そうか。


お母さん、
近所の人たちに自慢したんだ。


きっとそうだ。


あんなに、嬉しそうにしてたもんな。


自慢もしたくなるよね…。


「そっか、そうなんだ。」


ああ、また。


また比べられるんだ。


先生にも、友達にも。


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