恋愛対象外宣告。
「あ、奈帆?大丈夫だった?」



五時間目に終わりを告げるチャイムと共に教室に入れば、親友の西ノ詩歌が心配そうに見詰めてくる




「ん、大丈夫だよ、」



にっこりと笑えば、相手も笑ってくれた




白い肌にきれいな黒髪



その上美人だからモテる、のだが当の本人は、




゙彼氏なんて要らない゙



とか。




勿体ないな、と毎回思う



「…奈帆、結果は、…御村から聞いたよ、」




次の授業は日本史か、何て思い、教科書を出せば、詩歌に言われた一言



ずきり、と胸が痛む




ふったくせに、優しくするから。



また、期待したくなる




「まあね、」



でも、諦めないよ、と笑いかければ、心配そうに此方を見詰めていた詩歌は離れていった




少しほっ、とする



泣かなかったのは、ハンカチのお陰かも、



と、ハンカチを貸してくれたをくれた先輩に感謝すれば、授業の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた
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