恋愛対象外宣告。
『…なぁ、篠原、』



優しく少し甘い声に呼ばれ、顔をあげる




はじめと視線が絡み合う



夕日に照らされてやや、赤く見える相手の顔を見つめる




真っ直ぐできれいな黒い瞳を。



『…ごめん、』




思わず、口があく。



何を言われるかと思えば、謝られた




「…もー、いいよいいよ、」



ヘラヘラと笑いながら、出来上がったプリントをまとめて立ち上がる




まだ、まだだめ。



涙が溢れそうになるのをこらえる




「…じゃ、私、行くから」



プリントの山を抱えれば走り出した




涙が溢れる



止めどなく止めどなく




もしも、あの時に戻れるなら、



彼の謝った理由を聞きたい、




今なら確かにそういえる。
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