俺は、お前がいいんだよ。【番外編】
「えっ、本当か?っていうか、インターホン…鳴った?」
「ううん。彩名が、ママとスーパーにお買いものに行こうとして外に出たら、ちょうど由依ちゃんが来たの!」
なるほど、そういうことか…。
でも、やけに来るの早いな…。
とりあえず、由依のところに行こう。
慌てて立ち上がった俺は、彩名と部屋を出ようとしたけれど、背後から視線を感じて振り向く。
すると、ニンマリと笑みを浮かべる誠と哲也の姿が目に映った。
「噂をすれば、伊織ちゃんの登場か!陽希の思い通りにはいかなかったな!」
「ハルの彼女に会えるなんて、天は俺を見捨てなかったんだなぁ…。」
コイツら、ムカつく…。
由依に会わないで帰ってもらいたいが、もう無理だな。
俺は、小さく溜め息を零した。
「仕方ないから、哲也にも紹介する。ただし、由依の了承を得られたら…だからな?」
「は~い、分かったよ!」
軽く返事をする哲也に苦笑した後、俺は玄関へと急いだ。