俺は、お前がいいんだよ。【番外編】
「それじゃあ、紹介するよ。こちら、俺の彼女の伊織 由依。」
「い、伊織です。宜しくお願いします…。」
部屋に入った俺は、早速…誠と哲也を前にして由依の紹介をした。
少し緊張しているのか、由依はぎこちなくお辞儀する。
でも、そんなところも可愛くて微笑ましく感じてしまう俺がいた。
「初めましてっ!俺、ハルと中学時代の同級生の榊 哲也です!!宜しくお願いします!」
勢いよく立ち上がった哲也は、直角に腰を曲げてガバッと頭を下げる。
その気合いの入れっぷりに苦笑いしてしまった。
「伊織ちゃん、今日も可愛いね。ここに来るまで、誰にもナンパされなかった?」
「えっ、ナンパ…?あ、有り得ないよ…そんなこと。」
ブンブンと首を横に振る由依。
いつもながら、こういうところ…無防備なんだよな。
危ないから、帰りは駅まで送っていこう。