俺は、お前がいいんだよ。【番外編】
「えっと、由依ちゃんは…ハルと高校が一緒みたいだけど、どの辺に住んでるの?」
「蒼井坂です…。」
「そうなの!?俺の従兄弟、蒼井坂に住んでるよ!駅から近い?遠い?」
「結構近いです…。歩くと……」
「由依、そんな詳しく喋んなくていいから。」
慌てて二人の会話を遮る。
ギロリと哲也を睨んだ。
「おい、哲也。ちゃっかり由依の家の場所…聞き出そうとしてんじゃねぇよ。」
「あ、いや…単にどの辺りに住んでんのかな…と思っただけだよ。別に、それを聞いたからって遊びに行くわけじゃねぇって。」
眉間にシワを寄せると、誠がプッと吹き出すように笑った。
「さすが陽希!嫉妬全開だな。」
「うるせぇよ。」
そりゃ、内心…穏やかなわけないだろうが。
由依が他の男と会話するのなんて、出来るだけ見たくない。
ニヤリと笑う誠を冷ややかに見ていると、由依が俺に視線を向けた。