俺は、お前がいいんだよ。【番外編】
「あの、それは……照れてるだけ。」
「えっ…?」
「あんな風に、陽希の彼女として紹介されるの彩名ちゃんの時以来だったから、嬉しさもあったけど、それ以上に照れくさい気持ちが大きくて……。」
あまり、顔を見られたくないのか、麦わら帽子を目深にかぶる由依。
その仕草が可愛くて、ドクンと心臓が高鳴る。
俺まで顔が熱くなってしまった。
「そ、そう言われれば…そうだな。」
「私…こんなに赤くなったりして、過剰反応し過ぎだよね。もっと落ち着かないと…だよね。」
アタフタしている由依を胸の中に引き寄せる。
そして、ポンポンと帽子の上から頭を撫でた。
「由依は、由依のままでいいよ。」
「えっ…」
「俺は、どんな由依も好きでたまならいから。全部が可愛くて、全部が愛しい。」
今も、これからも…ずっと。
その想いは、決して…変わらない。