俺は、お前がいいんだよ。【番外編】
なんなんだ、アイツら。
どう考えても、由依を見てるし。
しかも、嬉しそうな顔。
込み上げる怒りで、眉間にシワが寄っていく。
鋭い眼光で睨みつけると、その視線に気付いたらしく、男たちは慌てた様子で目を逸らした。
「陽希、どっ…どうしたの?なんだか、恐い顔してるけど…」
「いや、大丈夫。軽く牽制してただけだから。」
「……?」
キョトンとしている由依に、友達がニコリと笑みを浮かべた。
「全く、由依は鈍いんだから。瀬ノ内君は、由依に変な男が近寄って来ないように、常に守ってくれてるんだよ。それだけ、由依が大事にされてる…ってこと!そうだよね、瀬ノ内君!」
「あ、ああ…。」
そこで、俺に話を振るのかよ…。
由依の友達って、なかなか鋭いんだな。
まさか、そんなことを言うと思ってなかっただけにビックリしてしまった。