俺は、お前がいいんだよ。【番外編】

「陽希、あの……えっと、ありがとう…。」


「いや、由依を守るのは…当然だから。」


お互い…照れくさくて、ぎこちなく言葉を交わす。


はにかむ由依に、ドクン…と鼓動が波打った。


「恵理子ちゃん、瀬ノ内君たちの邪魔しちゃ悪いから、ダブルデートじゃなくて、それぞれでデートを楽しまない?」


「そ、そうですね…先輩!」


「というわけで、瀬ノ内君…ここからは別行動で宜しくね!」


先輩は俺の肩をポンと軽く叩くと、ニコリと優しく笑う。


「んじゃ、由依。あとは、瀬ノ内君と仲良く遊んでねっ!」


由依の友達は、ニコニコしながら手を振ると、先輩と一緒にウォータースライダーの方へと行ってしまった。


ダブルデートと言いながら、結局…来て直ぐに別行動か…。


あの二人、わざわざ俺らと一緒じゃなくても、緊張なんてしてないじゃん…。


むしろ、俺と由依の方が緊張してる気がする…。


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