俺は、お前がいいんだよ。【番外編】
「由依、ウォータースライダーやりたい?」
俺の問いかけに、由依は小さく頷いたものの…
「でも…順番待ちが長そうだから、やめとくよ…。私、こうして陽希と一緒に居られるだけで十分だから…。」
フワッとした笑顔と共に、遠慮した答えが返ってきた。
きっと、俺を気遣ってのことなんだろう。
由依は甘えなさ過ぎなんだよな。
俺としては、ワガママなぐらい甘えてもらってもいいんだけど…。
そんなことを思いながら、俺は由依の手を引いて、ウォータースライダーの方に向かって移動し始めた。
「えっ、陽希…!?」
「ウォータースライダー、行こう?」
「でも、混雑してると思うし……」
気まずそうな表情の由依。
俺は、彼女と同じ目線になるように背を屈めた。
「俺も、ウォータースライダー…やってみたくなったんだ。待ち時間なんて、由依と一緒なら直ぐに終わる…。だから、行ってみようよ。」
「……うん!」
声を弾ませた由依は、可愛いらしく笑う。
本当に嬉しそうで、俺も頬が大きく緩んだ。