Double Cool
 思わず意気込む美澄に柔らかく微笑んで、修司がわかっていると柔らかく頭を撫でてくれる。


 外ではしっかり者と見られて、頼られることはあっても頼れることが少ない美澄には、こうした修司の包み込むような優しさがひどく嬉しい。


 嬉しがる美澄に小さく笑って、今度は頭のてっぺんにチュッとキスを落としてくれた。




 「今日はずいぶん、甘えただな」

 「そう…かな」

 「…お前は、外で作りすぎるんだよ」

 「かも」




 自覚していても、今までの自分を作り変えることは容易ではない。


 そしてまた、たとえそれができたとしても、修司以外に本音の自分を晒したいとは思えなかった。


 …でも、修司は?


 美澄にでさえめったに修司は本音を晒してはくれない。


 彼にだとて苦しい時も、悩みに眠れない時もあっただろうに、いつも伏せた目に若干の辛さを滲ませるくらいで、苦悩を顕にしたことがなかった。




 「そういえば、ここしばらく、俺もお前のうちに挨拶行ってないな」

 「え?」





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