Double Cool
3.選択
沈黙。
さきほどまでの気安い空気が、一瞬にして凍ってしまった気がした。
けれど、それさえも美澄の疚しさの生んだ妄想でしかないのかもしれない。
…疚しさ?なぜ?
何も疚しいことなどあるはずもない。
それなのに、息を飲んで、口を開けかけては閉じる修司の様子に、もうすでに後悔してしまっている。
「えっと…、でも、その、やっぱりちょっと無謀よね?」
だから、ついその気まずさに思いもよらぬセリフを吐いてしまった。
自信はあった。
認められている、望まれている、そんな上司たちの期待が確固たる自信となって、美澄の気持ちを大きく揺さぶり、しばらくの間、浮かれた気持ちのまま未来は明るい、そんな風に根拠もなく修司のことさえ脳裏から消え去っていた。
それだけ嬉しかったのだ。
夢が叶う。
けれど、その無邪気な喜びも長くは続かなかった。
浮かれた気持ちを引き締め、仕事に向かおうと手にしたスケジュール帳。
そこに書かれた『修司の脱サラ&開店祝い』の文字に、冷水を浴びせられた気持ちになった。
5年前だったら、迷わなかっただろう。
3年前でも、まだ大丈夫だったかもしれない。
互いの夢を応援することが一番で、結婚なんてまだまだ絵空事に思えて、たとえ離ればなれになっても自分たちの絆は途切れたりしないのだと、若さゆえの傲慢さを信じ続けていられたかもしれなかったのに。
怖くなった。
さきほどまでの気安い空気が、一瞬にして凍ってしまった気がした。
けれど、それさえも美澄の疚しさの生んだ妄想でしかないのかもしれない。
…疚しさ?なぜ?
何も疚しいことなどあるはずもない。
それなのに、息を飲んで、口を開けかけては閉じる修司の様子に、もうすでに後悔してしまっている。
「えっと…、でも、その、やっぱりちょっと無謀よね?」
だから、ついその気まずさに思いもよらぬセリフを吐いてしまった。
自信はあった。
認められている、望まれている、そんな上司たちの期待が確固たる自信となって、美澄の気持ちを大きく揺さぶり、しばらくの間、浮かれた気持ちのまま未来は明るい、そんな風に根拠もなく修司のことさえ脳裏から消え去っていた。
それだけ嬉しかったのだ。
夢が叶う。
けれど、その無邪気な喜びも長くは続かなかった。
浮かれた気持ちを引き締め、仕事に向かおうと手にしたスケジュール帳。
そこに書かれた『修司の脱サラ&開店祝い』の文字に、冷水を浴びせられた気持ちになった。
5年前だったら、迷わなかっただろう。
3年前でも、まだ大丈夫だったかもしれない。
互いの夢を応援することが一番で、結婚なんてまだまだ絵空事に思えて、たとえ離ればなれになっても自分たちの絆は途切れたりしないのだと、若さゆえの傲慢さを信じ続けていられたかもしれなかったのに。
怖くなった。