Double Cool
と、いうか、帰国する1週間前ほどに送ったから、早ければ昨日、今日くらいに届く頃合か。
「あ、じゃあ、私はこれで」
「ええ、お疲れ様。また明後日」
オフ明けの仕事の確認をし合って、手を振り別れて右左。
少し余裕を見た待ち合わせ時間だったから、まだ友人がやってくるのには時間があるだろう。
どう時間を潰そうかと考えて、そういえば最近日本語の活字に飢えていたことを思い起こす。
ちょうど視線を向けた先、本のスタンドを見つけて歩み寄る。
どうせ下手に移動をしてしまっては、迷子になる可能性もあったから、ちょうど良いとばかりにさっそく本屋へと足を運ぶ。
「どれどれ………」
たまたま屈みこんで、引き出した本のタイトルは―――、『ビューティフル・ライフ』。
…美しい人生。
鮮やかに記憶が刺激される。
つい覗き込もうとして、手元が不注意になっていた。
「きゃっ、やだ」
肘に触れてしまった本の山が、雪崩のように崩れ出し、ギョッと慌ててその本の山を抑えようと手を伸ばす。
が、その本の山に手を触れる前に、彼女の背後から伸びた大きな手が雪崩を防いだ。
「…あいかわらず、おっちょこちょいなんだな」
「あ、じゃあ、私はこれで」
「ええ、お疲れ様。また明後日」
オフ明けの仕事の確認をし合って、手を振り別れて右左。
少し余裕を見た待ち合わせ時間だったから、まだ友人がやってくるのには時間があるだろう。
どう時間を潰そうかと考えて、そういえば最近日本語の活字に飢えていたことを思い起こす。
ちょうど視線を向けた先、本のスタンドを見つけて歩み寄る。
どうせ下手に移動をしてしまっては、迷子になる可能性もあったから、ちょうど良いとばかりにさっそく本屋へと足を運ぶ。
「どれどれ………」
たまたま屈みこんで、引き出した本のタイトルは―――、『ビューティフル・ライフ』。
…美しい人生。
鮮やかに記憶が刺激される。
つい覗き込もうとして、手元が不注意になっていた。
「きゃっ、やだ」
肘に触れてしまった本の山が、雪崩のように崩れ出し、ギョッと慌ててその本の山を抑えようと手を伸ばす。
が、その本の山に手を触れる前に、彼女の背後から伸びた大きな手が雪崩を防いだ。
「…あいかわらず、おっちょこちょいなんだな」