Double Cool
ついホロ酔加減で、修司との会話に夢中になりすぎていた。
肘をついたところ、テーブルギリギリに置いておいたフォークが鈍い音を立てて床へと滑り落ちた。
「…ふぅ、危ないだろ」
「ご、ごめんなさい」
美澄がフォークを拾う前に、修司がさっさと動いてくれて、彼女の足元に転がったフォークを拾いあげてくれる。
呆れているようではなかったけれど、美澄の何杯目になるのだかわからないワインを取り上げ、ぐっと飲み干されてしまう。
顰めた顔は、自分が購入したくせに、あまり芳しいものではなかった。
「…うっ、きっつぅ」
修司はあまり酒に強い方ではなかった。
下戸というほどではないが、うわばみの美澄と張り合うほどではなく、まさに美味い酒をほどほどに、という程度。
強いだけに酒好きでもある美澄が、せっかく気に入っていた美味しいお酒を横取りされて、憮然とする。
「ひどい、最後の一杯だったのに」
「いくら美味くったって、お前飲みすぎ。ほとんど一人でボトル一本開けちゃっただろ?」
「せっかく美味しいのに、修司がほとんど飲まないからでしょ?」
文句が矛盾していることに、酔った美澄の頭では気が付けない。
「だから、最後の一杯はもらったの。これ以上、飲ませるとお前、いろいろ支障がありそうだからな」
肘をついたところ、テーブルギリギリに置いておいたフォークが鈍い音を立てて床へと滑り落ちた。
「…ふぅ、危ないだろ」
「ご、ごめんなさい」
美澄がフォークを拾う前に、修司がさっさと動いてくれて、彼女の足元に転がったフォークを拾いあげてくれる。
呆れているようではなかったけれど、美澄の何杯目になるのだかわからないワインを取り上げ、ぐっと飲み干されてしまう。
顰めた顔は、自分が購入したくせに、あまり芳しいものではなかった。
「…うっ、きっつぅ」
修司はあまり酒に強い方ではなかった。
下戸というほどではないが、うわばみの美澄と張り合うほどではなく、まさに美味い酒をほどほどに、という程度。
強いだけに酒好きでもある美澄が、せっかく気に入っていた美味しいお酒を横取りされて、憮然とする。
「ひどい、最後の一杯だったのに」
「いくら美味くったって、お前飲みすぎ。ほとんど一人でボトル一本開けちゃっただろ?」
「せっかく美味しいのに、修司がほとんど飲まないからでしょ?」
文句が矛盾していることに、酔った美澄の頭では気が付けない。
「だから、最後の一杯はもらったの。これ以上、飲ませるとお前、いろいろ支障がありそうだからな」