Double Cool
「支障って、そりゃ、明日も仕事だけど」
「そういうことじゃないんだけど」
「え?」
怪訝な顔をする美澄に修司が肩を竦めた。
「いや、でも…やっぱりか。オフとれなかったわけ?」
「あ~、むにゃむにゃ…」
つい語尾が疚しくて曖昧になってしまう。
「まあ、仕事ならしょうがないけど。経済ジャーナリストとして、独り立ちするのがお前の夢だもんな」
「…ごめん、休みたかったんだけど、どうしてもね」
「ハァ、わかってるよ。お前が俺の夢を応援してくれたように、俺もお前の夢を応援してるからさ」
「………うん」
項垂れた。
…これだからクールって言われちゃうんだよね。
修司は言わないけれど、常日頃美澄が周囲に言われている他人からの評価。
自分では特にクールなつもりはないのだが、恋人よりも仕事優先、感情のままに生きられない性質を時々厄介に思う。
だが、おそらく修司もまた感情のままに行動できない妙に冷静なところが、クールと言えるのだろう。
だから、二人はまだ結婚できない。
恋人のままだ。
結婚したくないわけじゃないのに、たぶん、二人共。
「そういうことじゃないんだけど」
「え?」
怪訝な顔をする美澄に修司が肩を竦めた。
「いや、でも…やっぱりか。オフとれなかったわけ?」
「あ~、むにゃむにゃ…」
つい語尾が疚しくて曖昧になってしまう。
「まあ、仕事ならしょうがないけど。経済ジャーナリストとして、独り立ちするのがお前の夢だもんな」
「…ごめん、休みたかったんだけど、どうしてもね」
「ハァ、わかってるよ。お前が俺の夢を応援してくれたように、俺もお前の夢を応援してるからさ」
「………うん」
項垂れた。
…これだからクールって言われちゃうんだよね。
修司は言わないけれど、常日頃美澄が周囲に言われている他人からの評価。
自分では特にクールなつもりはないのだが、恋人よりも仕事優先、感情のままに生きられない性質を時々厄介に思う。
だが、おそらく修司もまた感情のままに行動できない妙に冷静なところが、クールと言えるのだろう。
だから、二人はまだ結婚できない。
恋人のままだ。
結婚したくないわけじゃないのに、たぶん、二人共。