恋するBread*それでもキミが好き
それから丁度二週間が過ぎた日の朝、レジに立って外を見つめていた私の胸が突然ギュッと苦しくなった。

あの人の姿を見つけたからだ。

自動ドアが開くと同時に、胸の鼓動が激しく高鳴る。

「い、いらっしゃいませ」

久しぶりに見るその綺麗な顔立ちもモデルのような体型もいつもと何ら変わらないのに、今までとは違う〝何か〟が私の心を掻き乱すのを感じた。


おからロールさん、今日は何を買うか結構迷ってるみたい。

朝一の店内、まだ他にお客さんはいなかった。
静かな空気とパンの甘い香りが、私を余計に惑わせる。

私、どうしてこんなにドキドキしてるんだろう……久しぶりだから?

そう思ったとき、おからロールさんが空のトレイを持ちながらレジにいる私に近づいてきた。



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