恋するBread*それでもキミが好き
「本当は東吾が買ってくるパンが嫌いだったの。
別れる一年前くらいからかな、たまに会えたと思ったら、彼は毎回少し潰れたパンを私に買ってきてた。美味しそうに食べる彼を見てたらなんか悔しくて。
私は嫌いだからって言っても、彼は買うのをやめなかった。私はパンに負けたの」
「神山さん……?」
「あなたを見たら、意地悪したくなっちゃって。でも、やっぱり悪役にはなりきれなかった。誰だって、人に嫌われるのは嫌だしね」
頭が少し混乱してしまったけど、神山さんと別れて電車に乗っているときに、神山さんから聞いたもうひとつの話を思い出していた。
『昨日東吾に会ったとき、今でも好きだって伝えたの。でも彼は……』
『今、大切に思ってる子がいるから。
早くその子に、パン感想を言ってあげたいんだ……』
別れる一年前くらいからかな、たまに会えたと思ったら、彼は毎回少し潰れたパンを私に買ってきてた。美味しそうに食べる彼を見てたらなんか悔しくて。
私は嫌いだからって言っても、彼は買うのをやめなかった。私はパンに負けたの」
「神山さん……?」
「あなたを見たら、意地悪したくなっちゃって。でも、やっぱり悪役にはなりきれなかった。誰だって、人に嫌われるのは嫌だしね」
頭が少し混乱してしまったけど、神山さんと別れて電車に乗っているときに、神山さんから聞いたもうひとつの話を思い出していた。
『昨日東吾に会ったとき、今でも好きだって伝えたの。でも彼は……』
『今、大切に思ってる子がいるから。
早くその子に、パン感想を言ってあげたいんだ……』