恋するBread*それでもキミが好き
その日の夜、お風呂を出た私はリビングで晩酌をしている両親に「おやすみ」を言い、二階にある自分の部屋に向かった。

ベッドに寝転んだ私は、久しぶりに真紀(まき)に電話をしていた。

吉川(よしかわ)真紀。子供の頃から隣の家に住んでいた私の幼馴染み。

私は悩みごとがあってもあまり周りに相談したりしない性格だけど、唯一真紀にだけは何でも話せる。

真紀は就職と同時に東京で独り暮らしを始めた為あまり会うことはできないけど、LINEのやりとりや、時々こうして電話でお互いの近況報告をしていた。


『え~それってまさか好きになったってこと!?』

今朝の出来事を話すと、真紀は予想以上に驚いた。

「いや、だから、まだ分かんないんだって」

『美緒に好きな人ができるなんてね~。いいじゃん、もう夏だし海とか一緒に行っちゃったりして♪』

「だーかーらー!なに勝手に盛り上がってんのよ。ただちょっとドキッとしたっていうか」

ちょっとじゃないけど、でもあんなイケメンを好きになったっら絶対確実片思いで終わるのは目に見えてるし。

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