恋するBread*それでもキミが好き
「やっぱり女性が多いね」

その低い声が、心地よく私の耳に届く。

声だけでドキッとしてしまう私は、やっぱり彼に恋をしてるんだと感じた。

好きになったら一直線、彼を知りたい、私を知ってもらいたい。


「きょ、今日はお休みですか?」

明らかにスーツを着ているのに、緊張で上手な言葉が出てこない。

「いや、仕事で近くまで来たんだ。この店のことは知ってたから、休憩がてらちょっと寄ってみようかと思って」

コーヒーをひと口飲むその姿は、まるでCMかなにかのようだ。

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