恋するBread*それでもキミが好き
「やっと……名前、聞けました。素敵な名前です」

どんな名前か想像したこともあった。だけど、私が思っていた名前よりも、ずっと素敵。

「ありがとう。名前を誉められたのは初めてだよ」

少し照れたような表情を見せる高瀬さん。

たくさんの人で賑わっているはずなのに、私の視界にはもう高瀬さんしか見えない。


「今日は朝お店にいなかったみたいだけど」

「あ、はい。今日は学校に行く日で」

「そっか、やっぱり学生なんだね」

「学生って言っても、今年でもう25歳になっちゃいますけど」


「え……え!?」

「えっ!?」

驚いた高瀬さんの声に、思わず私まで驚いてしまった。

「ごめん、てっきり20歳前後だと……」

「……よく言われます」

若く見られると普通は嬉しいものだけど、私にとってはそれが子供っぽく見られているようで、ちょっとしたコンプレックスだったりする。

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