恋するＢｒｅａｄ＊それでもキミが好き

それから高瀬さんの年齢や職業を聞いたり、私は資格を取るための勉強をしながらアルバイトをしていることや、パンへの情熱を熱く語った。

予想通り高瀬さんもパンが大好きで、なかでもＭＩＹＡＨＡＲＡは一番だという言葉を聞いて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいになった。


そう言えばもうひとつ気になっていたこと、せっかく彼を知るチャンスなんだから、聞きたいこと全部聞こう。


「高瀬さんって、金曜日……」

一瞬彼女の存在を知るのが怖いと思ったけど、逃げたくないという気持ちのほうが勝った。

「金曜日にはたくさん買っていくじゃないですか？あれって、彼女さんに……とか？」

「ああ、あれは、会社の同僚たちに頼まれて買ってたんだ。最近はもう面倒だから自分で買いに行けって言ってるけど。彼女なんていないよ」

その言葉に、私はホッと胸を撫で下ろす。

たとえ彼女がいたとしても、多分もうこの気持ちは止められなかったと思うけど。