恋するBread*それでもキミが好き
「それじゃー始めようか」

おばさんが昨日用意してくれた椅子に腰掛け、取材が始まった。
誰もいないふたりだけの空間の中、向かい合って座るだけで胸のドキドキが止まらなくなる。


事前に質問事項が書かれていた紙を受け取っていた私は、それを高瀬さんに渡した。

私の回答を読みながら、時々クスッと笑ったりする高瀬さんを見てるだけで、キュンキュンしてしまう。


「すごく詳しく書いてくれてありがとう」

「いえ、こんなんで大丈夫か不安です」

「全然、美緒ちゃんのパンへの情熱が凄い伝わってくるよ。じゃー将来は自分でパン屋を開きたいのかな?」

「ん~、自分のお店というか、私が好きだって思える場所でパンが作れればいいなって思ってます」

「MIYAHARAとか?」

「いえいえ!おばさんたちからは言われたりするけど、まずはどこかに就職して、自分の力でやってみたいんです」

「ちゃんと考えてるんだね」

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