恋するBread*それでもキミが好き
「ここからなら見えるよ」

そう言って高瀬さんは繋いだ手を離した。

突然夢から覚めてしまったようで、泣きそうになる気持ちをグッと堪え、キラキラと光輝く光景を見つめる。


「すごいな、綺麗だ」

彼の横顔をふと見上げると、背の高いその姿とは真逆で、初めて見る光景に喜ぶ少年のような表情をしていた。


目の前には、私が子供の頃好きだったプリンセスが王子様と手を取り合って踊っている。


あなたの顔を見てたら、止められなくなっちゃったんだ。


さっき感じたあの温もりが、もう一度欲しくて……

大好きな人の左手にそっと触れた後

ゆっくりと優しく、その手を握った。


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