恋するBread*それでもキミが好き
「はい、お電話代わりました高瀬です」

『宮原ですけど、ちょっとお話がありまして……』

「どうしましたか?」

『実はあれから主人と色々話したんですけどね』


話を聞き終わった俺は、内心少しホッとしている自分がいることに気づく。


宮原さんは、雑誌に載せるという話をなかったことにしてほしいと言ってきた。

雑誌に載ることで繁盛するのは良いことだけど、自分たちがパン屋をやっているのはそういうことのためではない。

パンが好きで、MIYAHARAが好きで、いつ来ても大好きなパンを買って頂けるように、という気持ちでやっている。そう言った。


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