恋するBread*それでもキミが好き
ーー

「……で、……すよ。って高瀬さん!聞いてますか!?」

ふと顔をあげると、藤村が俺の顔を覗き込んでいた。

「あー悪い。聞いてなかった」

「ちょっとー、俺の恋ばなに興味ないんですか?」


仕事が終わったら飲みに行くよりも寝たいという欲求の方が強いため普段はあまり飲みに行くことはないが、この日は会社近くの居酒屋で久しぶりに藤村の愚痴に付き合っていた。

という俺も、今日はなんだか飲みたい気分だったから丁度いい。


「で、なんだっけ?」

「だから~、散々俺に気がある素振りを見せてきたくせに、いざ俺がちょっといいかもなーって思った途端『なんでもっと早く告白してこなかったの?もう彼氏出来ちゃったから無理』とか言ってきて。そんなの知らんわ!って感じっすよ」

藤村は中ジョッキに残ったビールを一気に飲み干した。

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