恋するBread*それでもキミが好き
いつものようにじっくりパンを選ぶ姿が窓から差し込む朝日と重なり、なんだか映画のワンシーンのようで、思わず目で追ってしまう。
トレイをレジに置くとき、一瞬目が合っただけでドキッとしてしまった。
「クリームパン、パンオショコラ、きな粉揚げパンにシナモンシュガー揚げパン、ブルーベリーデニッシュ二つに、おからロール……」
私がこの人を〝おからロールさん〟と呼ぶのは、おからが練り込まれたロールパン『おからロール』を毎回必ず買っていくから。
名前を知らない私は、心の中で密かにそう呼んでいた。
「ありがとうございました」
笑顔で袋を手渡すと、おからロールさんは軽く微笑み会釈をして店を出た。
か、かっこいい……。今日も安定のかっこよさだ。
しかも今日は笑顔まで見れちゃったし。
「なに?美緒ちゃん、ついにあの人に恋しちゃった?顔、ニヤけてるわよ」
焼き立てのバゲットが入ったカゴを持ちながら、優美子おばさんがからかうように小声でそう言った。
「ち、違いますよ」
トレイをレジに置くとき、一瞬目が合っただけでドキッとしてしまった。
「クリームパン、パンオショコラ、きな粉揚げパンにシナモンシュガー揚げパン、ブルーベリーデニッシュ二つに、おからロール……」
私がこの人を〝おからロールさん〟と呼ぶのは、おからが練り込まれたロールパン『おからロール』を毎回必ず買っていくから。
名前を知らない私は、心の中で密かにそう呼んでいた。
「ありがとうございました」
笑顔で袋を手渡すと、おからロールさんは軽く微笑み会釈をして店を出た。
か、かっこいい……。今日も安定のかっこよさだ。
しかも今日は笑顔まで見れちゃったし。
「なに?美緒ちゃん、ついにあの人に恋しちゃった?顔、ニヤけてるわよ」
焼き立てのバゲットが入ったカゴを持ちながら、優美子おばさんがからかうように小声でそう言った。
「ち、違いますよ」