恋するBread*それでもキミが好き
「こんばんは、美緒ちゃん。学校の宿題は終わったの?」

「はい、そっちのほうはバッチリです」

「発酵や生地を寝かせている間に必ず仮眠とりなさいよ。じゃー今日はがんばってね。食べてくれる人のことを思い浮かべれば、きっと美味しいパンができるわよ」


おばさんにそう言われて、すぐに高瀬さんの顔が浮かんだ。

「はい、がんばります!」


普段はその日に売るパンを焼いている合間に翌日の準備をするのだけど、一から全部自分でやりたかった私は、発酵などに時間が掛かるため夜から作業をさせてもらえるよう、おじさんにお願いをした。

出来上がったパンをどうしても高瀬さんに渡したいから。


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