片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~

冬也side~

敦司様の言う通り夏芽は肝が据わってる。

俺の方が大勢の人に圧倒され、ホール内を出てお手洗いに駆け込んだ。

「!!?」

御手洗いの前で濱部副社長が煙草を吹かしていた。

「冬也か・・・」

「何しているんですか?」

「何って休憩」

「俺と夏芽の選んだ料理に口に合いませんか?」


「別に・・・稜真と奈那子さんに当てられて出て来たんだ」


俺は首を傾げ、副社長の話を詳しく訊いた。


「奈那子さんに二人目がデキたんだよ」


「二人目??どうりでなかなか産休から戻って来ないなぁと思ってた」

「デキる所にはデキんだよなぁ~親父もお袋も喜んじゃってさ…肩身が狭い。・・・つまんねぇ。最近の親父は本当に孫孫で。甥の隆真(リュウマ)が可愛いのは分かるけど。スマホの待ち受けは隆真の写真だし。子供の居ない俺達は蚊帳の外だ」


「だって、隆真君は初孫だし、仕方がないと思うよ」

「拓真君、君はここで何をしているんだ?」

敦司様が険しい顔で現れた。


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