片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
ACT13♥ヒガンバナー相思花
冬也side~
爺ちゃんは披露宴から体調を崩し、寝込んでいた。
「爺ちゃん、大丈夫か?」
「大丈夫だ」
爺ちゃんは咳込みながらも敦司様の介添えで、カラダをゆっくりと起こした。
「家元。冬也君には私の方からお話しますので、ゆっくりと寝ていて下さい」
「しかし、これは・・・緑川家の問題だ」
「何をおっしゃっているんですか?私が二人を説得した時から、これは緑川家だけの問題ではありませんよ。家元」
「そうだな。敦司君をすまない・・・」
「冬也君、茶室で話をしようか?」
「あ、はい」
俺は敦司様に促されて、離れの奥の茶室へと廊下を歩く。
華道と同時に茶道も嗜んでいた爺ちゃんが特別に作った茶室。
残暑が遠のき、夜になると秋の気配を感じる少し冷たい風が吹く。
庭には自然と群生した真っ赤な彼岸花が咲き乱れている。
俺は足を止めて彼岸花を見つめた。
「爺ちゃん、大丈夫か?」
「大丈夫だ」
爺ちゃんは咳込みながらも敦司様の介添えで、カラダをゆっくりと起こした。
「家元。冬也君には私の方からお話しますので、ゆっくりと寝ていて下さい」
「しかし、これは・・・緑川家の問題だ」
「何をおっしゃっているんですか?私が二人を説得した時から、これは緑川家だけの問題ではありませんよ。家元」
「そうだな。敦司君をすまない・・・」
「冬也君、茶室で話をしようか?」
「あ、はい」
俺は敦司様に促されて、離れの奥の茶室へと廊下を歩く。
華道と同時に茶道も嗜んでいた爺ちゃんが特別に作った茶室。
残暑が遠のき、夜になると秋の気配を感じる少し冷たい風が吹く。
庭には自然と群生した真っ赤な彼岸花が咲き乱れている。
俺は足を止めて彼岸花を見つめた。