片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
でも、これだけの大きな花束を飾る大きな花瓶は私の部屋にはなかった。


「頂くにしても、花瓶がありません」

「花瓶か…ウチの花瓶で良ければ貸してあげる」

「助かります」


**********


私は花瓶と薔薇の花束を部屋に持ち帰って、リビングのローボードに飾った。


真紅の薔薇は何本あるだろう…と私は薔薇を一本一本数えてみた。


「20,21・・・」


「ただいま」

冬也が何食わぬ顔でリビングに入って来た。
華道展の打ち合わせにしては早い帰宅だった。


「お帰り、冬也」


「何だ!!?この薔薇の花束は・・・」


「あ…貰ったと言うか・・・」


「誰に?」


「誰でもいいじゃない。それよりも、かえって来るの早かったけど夕食は済ませたの?」


「ん、あ…軽くは食べて来た」


「私は今から食べるけど…何か作ろうか?」


「何が出来る?」


「カップ麺」








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